賃金構造基本統計調査をもとに弁護士の平均年収・生涯年収・生涯賃金などのデータを算出。
※統計データの中には調査母数の少ないデータも含まれています。
統計学上、調査母数の多いデータほど実態に近いデータが算出されます。
母数の少ないデータの場合は参考程度にデータをご使用ください。
弁護士の平均年収
弁護士
平均年収
全体:728万5600円
男性:729万9700円
女性:726万4800円
2019年 項目 | 男 | 女 | 合計 |
---|---|---|---|
平均年齢 | 39.1歳 | 41.7歳 | 40.1歳 |
勤続年数 | 5.0年 | 6.2年 | 5.5年 |
労働時間 | 156時間 | 165時間 | 160時間 |
超過実労働時間 | 0時間 | 1時間 | 1時間 |
平均月収 | 53万1600円 | 45万9400円 | 50万2500円 |
平均賞与(ボーナス) | 92万500円 | 175万2000円 | 125万5600円 |
平均年収 | 729万9700円 | 726万4800円 | 728万5600円 |
弁護士 年収推移データ
弁護士の年収推移データをご覧ください。
合計 | 年収 | 月収 | ボーナス | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 超過勤務 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2019年 | 728万5600円 | 50万2500円 | 125万5600円 | 40.1歳 | 5.5年 | 160時間 | 1時間 |
2018年 | 765万7300円 | 53万8600円 | 119万4100円 | 36.0歳 | 7.3年 | 164時間 | 1時間 |
2017年 | 1028万9500円 | 63万5000円 | 266万9500円 | 39.7歳 | 7.6年 | 177時間 | 0時間 |
2016年 | 759万600円 | 49万1200円 | 169万6200円 | 35.2歳 | 4.9年 | 165時間 | 1時間 |
2015年 | 1095万3500円 | 82万2300円 | 108万5900円 | 35.6歳 | 6.6年 | 177時間 | 0時間 |
2014年 | 1035万9200円 | 66万2500円 | 240万9200円 | 39.0歳 | 9.9年 | 178時間 | 0時間 |
2013年 | 1189万3200円 | 73万700円 | 312万4800円 | 39.7歳 | 6.1年 | 156時間 | 3時間 |
2012年 | 642万4800円 | 50万5200円 | 36万2400円 | 37.8歳 | 4.1年 | 167時間 | 0時間 |
2011年 | 659万800円 | 43万5200円 | 136万8400円 | 38.8歳 | 4.6年 | 174時間 | 0時間 |
2010年 | 1270万8300円 | 95万6400円 | 123万1500円 | 40.9歳 | 12.7年 | 181時間 | 1時間 |
男 | 年収 | 月収 | ボーナス | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 超過勤務 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2019年 | 729万9700円 | 53万1600円 | 92万500円 | 39.1歳 | 5.0年 | 156時間 | 0時間 |
2018年 | 772万8400円 | 51万1100円 | 159万5200円 | 35.2歳 | 6.2年 | 171時間 | 1時間 |
2017年 | 1097万4200円 | 66万8000円 | 295万8200円 | 39.3歳 | 8.1年 | 178時間 | 0時間 |
2016年 | 719万500円 | 47万7500円 | 146万500円 | 34.9歳 | 4.2年 | 168時間 | 1時間 |
2015年 | 1160万6800円 | 86万9400円 | 117万4000円 | 35.0歳 | 5.8年 | 178時間 | 0時間 |
2014年 | 1057万3400円 | 68万6900円 | 233万600円 | 38.6歳 | 8.9年 | 183時間 | 0時間 |
2013年 | 1181万4000円 | 70万800円 | 340万4400円 | 39.7歳 | 7.2年 | 161時間 | 4時間 |
2012年 | 807万4500円 | 63万3300円 | 47万4900円 | 32.7歳 | 4.4年 | 166時間 | 0時間 |
2011年 | 868万6400円 | 56万1100円 | 195万3200円 | 43.1歳 | 6.2年 | 177時間 | 0時間 |
2010年 | 1428万7000円 | 109万9000円 | 109万9000円 | 44.2歳 | 14.7年 | 182時間 | 0時間 |
女 | 年収 | 月収 | ボーナス | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 超過勤務 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
2019年 | 726万4800円 | 45万9400円 | 175万2000円 | 41.7歳 | 6.2年 | 165時間 | 1時間 |
2018年 | 757万5600円 | 57万200円 | 73万3200円 | 36.9歳 | 8.6年 | 157時間 | 0時間 |
2017年 | 593万400円 | 42万4900円 | 83万1600円 | 42.4歳 | 4.4年 | 170時間 | 1時間 |
2016年 | 842万6500円 | 51万9800円 | 218万8900円 | 35.7歳 | 6.5年 | 158時間 | 1時間 |
2015年 | 766万9300円 | 58万5500円 | 64万3300円 | 38.5歳 | 10.4年 | 175時間 | 0時間 |
2014年 | 971万1800円 | 58万8800円 | 264万6200円 | 40.1歳 | 12.8年 | 163時間 | 0時間 |
2013年 | 1201万円 | 77万5200円 | 270万7600円 | 39.7歳 | 4.5年 | 149時間 | 0時間 |
2012年 | 473万6500円 | 37万4100円 | 24万7300円 | 43.0歳 | 3.8年 | 168時間 | 0時間 |
2011年 | 441万3300円 | 30万4400円 | 76万500円 | 34.3歳 | 3.0年 | 171時間 | 0時間 |
2010年 | 840万7300円 | 56万7900円 | 159万2500円 | 32.1歳 | 7.3年 | 179時間 | 4時間 |
調査人数が少数のため年毎の平均年収は若干、不安定なものになっていますが、平均年収はおおむね1000万円前後でやはり高収入の代表格といえるでしょう。
男性の方が年収が高い傾向はどの年も変わりませんが、他の職業と比べると男女差はそれほど大きくありません。
弁護士 規模別年収データ
2019年 弁護士 の規模別年収データです。
一般的には企業規模が大きくなるほど収入が高くなる傾向にあります。
企業規模(合計) | 年収 | 月収 | ボーナス | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 超過勤務 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10人~99人 | 764万7300円 | 53万9400円 | 117万4500円 | 35.2歳 | 5.2年 | 156時間 | 0時間 |
100人~999人 | 647万6700円 | 42万8100円 | 133万9500円 | 50.8歳 | 6.2年 | 168時間 | 2時間 |
1000人以上 | 769万8000円 | 48万2900円 | 190万3200円 | 37.0歳 | 5.7年 | 148時間 | 6時間 |
合計 | 728万5600円万 | 50万2500円万 | 125万5600円万 | 40.1歳 | 5.5年 | 160時間 | 1時間 |
企業規模(男) | 年収 | 月収 | ボーナス | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 超過勤務 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10人~99人 | 808万8900円 | 57万6200円 | 99万5800円 | 34.9歳 | 4.4年 | 155時間 | 0時間 |
100人~999人 | 559万9500円 | 35万5000円 | 37万6400円 | 57.5歳 | 7.9年 | 163時間 | 0時間 |
1000人以上 | 759万9600円 | 47万4700円 | 171万2400円 | 37.2歳 | 5.0年 | 147時間 | 6時間 |
合計 | 763万4800円万 | 53万1600円万 | 92万500円万 | 39.1歳 | 5.0年 | 156時間 | 0時間 |
企業規模(女) | 年収 | 月収 | ボーナス | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 超過勤務 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10人~99人 | 656万3700円 | 44万9100円 | 161万3000円 | 35.9歳 | 7.2年 | 159時間 | 0時間 |
100人~999人 | 693万6300円 | 46万6400円 | 184万3900円 | 47.3歳 | 5.3年 | 172時間 | 2時間 |
1000人以上 | 795万1200円 | 50万4000円 | 239万9400円 | 36.5歳 | 7.3年 | 148時間 | 6時間 |
合計 | 728万5600円万 | 50万2500円万 | 125万5600円万 | 40.1歳 | 5.5年 | 160時間 | 1時間 |
弁護士事務所は有資格者1人か数人で運営されているのが通常で、ほとんどが小規模法人として活動しており、上記のデータでは「10人~99人」区分が一番実情に近いデータといえます。
その一方で、弁護士業界にもいわゆる4大事務所と呼ばれる大規模事務所が存在しています。
4大事務所の所属弁護士数は200人~500人程度。
1年目から年収1000万円が約束されるという破格の待遇を受ける事ができます。
その分、4大事務所に所属することはかなりの難関となっており、東京大学を筆頭とした司法試験上位合格者でないと難しいといいます。
◇長島・大野・常松法律事務所
◇西村あさひ法律事務所
◇森・濱田松本法律事務所
利益の大きい案件ほど複雑で規模も大きくなるため、専門に特化した所属弁護士の多い大規模事務所に依頼されやすくなります。
弁護士業界も一般企業と同様に大規模事務所ほど平均収入が高くなる傾向にあります。
弁護士の都道府県別年収一覧
賃金構造基本統計調査より弁護士の都道府県別年収データを一覧表示しています。
※調査人数の少ないデータほど信頼性は低くなります。参照の際に人数データを確認すると実態への近接度を確認する事ができます。
都道府県 | 種別 | 年収 | 月額給与 | ボーナス | 年齢 | 勤続年数 | 労働時間 | 超過勤務 | 人数 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
全国 | 男 | 730万 | 53.2万 | 92.1万 | 39.1歳 | 5.0年 | 156時間 | 0時間 | 1570人 |
全国 | 女 | 726.5万 | 45.9万 | 175.2万 | 41.7歳 | 6.2年 | 165時間 | 1時間 | 1060人 |
全国 | 男女計 | 728.6万 | 50.3万 | 125.6万 | 40.1歳 | 5.5年 | 160時間 | 1時間 | 2640人 |
北海道 | 男 | 296.8万 | 20.6万 | 50.1万 | 64.5歳 | 11.5年 | 160時間 | 0時間 | 100人 |
北海道 | 女 | 285.1万 | 19.7万 | 48.6万 | 32.5歳 | 5.0年 | 160時間 | 0時間 | 200人 |
北海道 | 男女計 | 289万 | 20万 | 49.1万 | 43.2歳 | 7.2年 | 160時間 | 0時間 | 300人 |
千葉県 | 男 | 750.7万 | 43.5万 | 228.4万 | 33.5歳 | 5.8年 | 140時間 | 3時間 | 10人 |
千葉県 | 女 | 848.3万 | 53万 | 212万 | 38.0歳 | 7.0年 | 145時間 | 6時間 | 10人 |
千葉県 | 男女計 | 806.5万 | 49万 | 219.1万 | 36.1歳 | 6.5年 | 143時間 | 4時間 | 20人 |
東京都 | 男 | 1199.8万 | 96.8万 | 38万 | 40.7歳 | 6.9年 | 152時間 | 0時間 | 300人 |
東京都 | 女 | 1763.9万 | 106万 | 492.3万 | 50.7歳 | 2.1年 | 178時間 | 1時間 | 170人 |
東京都 | 男女計 | 1403.3万 | 100.1万 | 201.8万 | 44.3歳 | 5.2年 | 161時間 | 0時間 | 470人 |
愛知県 | 男 | 898.8万 | 53.1万 | 262万 | 38.7歳 | 7.7年 | 168時間 | 0時間 | 160人 |
愛知県 | 女 | 842万 | 49万 | 254万 | 37.5歳 | 7.5年 | 168時間 | 0時間 | 30人 |
愛知県 | 男女計 | 889.4万 | 52.4万 | 260.7万 | 38.5歳 | 7.7年 | 168時間 | 0時間 | 190人 |
大阪府 | 男 | 698.1万 | 45.4万 | 153.8万 | 33.9歳 | 5.0年 | 164時間 | 0時間 | 500人 |
大阪府 | 女 | 713.2万 | 45万 | 173.8万 | 35.8歳 | 8.0年 | 161時間 | 0時間 | 410人 |
大阪府 | 男女計 | 704.9万 | 45.2万 | 162.9万 | 34.8歳 | 6.3年 | 163時間 | 0時間 | 920人 |
岡山県 | 男 | 608.8万 | 50.7万 | 0万 | 32.5歳 | 0.5年 | 155時間 | 27時間 | 20人 |
岡山県 | 男女計 | 608.8万 | 50.7万 | 0万 | 32.5歳 | 0.5年 | 155時間 | 27時間 | 20人 |
広島県 | 男 | 569.9万 | 46.9万 | 7.1万 | 33.6歳 | 1.6年 | 140時間 | 0時間 | 400人 |
広島県 | 女 | 505.2万 | 42.1万 | 0万 | 35.5歳 | 0.5年 | 140時間 | 0時間 | 50人 |
広島県 | 男女計 | 562.8万 | 46.4万 | 6.4万 | 33.8歳 | 1.5年 | 140時間 | 0時間 | 450人 |
福岡県 | 男 | 293.8万 | 19.5万 | 59.4万 | 59.5歳 | 3.5年 | 168時間 | 0時間 | 100人 |
福岡県 | 女 | 330.1万 | 22.5万 | 60.7万 | 58.5歳 | 8.5年 | 176時間 | 7時間 | 190人 |
福岡県 | 男女計 | 317.9万 | 21.5万 | 60.3万 | 58.8歳 | 6.8年 | 173時間 | 4時間 | 290人 |
弁護士という職業はなんらかのトラブルが発生しない限り仕事は発生しません。
そのため、弁護士は人口や企業の多い東京や大阪など大都市に集中する傾向にあります。
日本弁護士会が2015年に発表したデータでは日本弁護士会の正会員総数は約3万6000人。
その内の半数近くの約15000人が東京で、約4000人が大阪で活動しています。
一方、秋田や鳥取など地方都市では弁護士数が100人にも満たない都道府県もあります。
弁護士の平均年収統計を調査したとしても圧倒的な人数が所属している東京や大阪の実情に近くなります。
かなりの地域格差があるため、賃金構造基本統計調査の都道府県別データでは地方の数字を算出できません。
弁護士の生涯年収
弁護士の22歳から59歳までを生涯年収とし、賃金構造基本統計調査の年齢別データを加算して生涯賃金を算出しました。
※調査母数の少ないデータは不安定な結果になることがあります。データの0は賃金構造基本統計調査内でデータが存在していません。
弁護士
生涯年収
男性:3億2115万1500円
女性:1億9478万8500円
年齢 | 月額給与 | 賞与(ボーナス) | 年収(男性) |
---|---|---|---|
20~24歳 | 0円 | 0円 | 0円 |
25~29歳 | 52万1300円 | 23万8600円 | 649万4200円 |
30~34歳 | 47万7100円 | 98万3600円 | 670万8800円 |
35~39歳 | 54万4000円 | 140万2600円 | 793万600円 |
40~44歳 | 56万6400円 | 274万400円 | 953万7200円 |
45~49歳 | 81万700円 | 62万4300円 | 1035万2700円 |
50~54歳 | 168万9100円 | 0円 | 2026万9200円 |
55~59歳 | 19万5300円 | 59万4000円 | 293万7600円 |
60~64歳 | 20万5600円 | 50万1000円 | 296万8200円 |
65~69歳 | 0円 | 0円 | 0円 |
年齢計 | 53万1600円 | 92万500円 | 729万9700円 |
生涯年収:3億2115万1500円 |
年齢 | 月額給与 | 賞与(ボーナス) | 年収(男性) |
---|---|---|---|
20~24歳 | 0円 | 0円 | 0円 |
25~29歳 | 26万6600円 | 61万4700円 | 381万3900円 |
30~34歳 | 45万1900円 | 179万1700円 | 721万4500円 |
35~39歳 | 38万5500円 | 134万1200円 | 596万7200円 |
40~44歳 | 0円 | 0円 | 0円 |
45~49歳 | 0円 | 0円 | 0円 |
50~54歳 | 111万7100円 | 516万100円 | 1856万5300円 |
55~59歳 | 23万400円 | 63万2000円 | 339万6800円 |
60~64歳 | 21万8500円 | 58万2000円 | 320万4000円 |
65~69歳 | 0円 | 0円 | 0円 |
年齢計 | 45万9400円 | 175万2000円 | 726万4800円 |
生涯年収:1億9478万8500円 |
弁護士になるには基本的には大学を卒業して、法科大学院に進学する必要があるため、最年少でも24歳。
そのため20代前半のデータは男女ともに取得できません。
また、試験に合格して、弁護士になる年齢にばらつきがあること、司法試験合格者の増加で年齢構成のバランスがいびつになったこと、などの影響のためか、一般的な賃金カーブとは異なる曲線を描いています。
統計データ上では22歳から59歳までを生涯年収として区切っていますが、弁護士には定年の概念がなく、実質には1.5倍程度の生涯賃金にはなりそうです。
平均的な弁護士であれば生涯年収で5億円以上は期待できるでしょう。
弁護士解説
2019年の弁護士の平均年収は728万5600円でした。
(平均月収:50万2500円 ボーナス:125万5600円)
男性:729万9700円(平均月収:53万1600円 ボーナス:92万500円)
女性:726万4800円(平均月収:45万9400円 ボーナス:175万2000円)
就職状況
かつての司法試験の合格者数は1000名程度でしたが、制度改革が行われたことによって2020年では年間1450名にまで合格者数が増員されています。
近年は有資格者が大幅に増加した事によって、新しく資格を取得した新人弁護士の就職先が不足する状況に陥っています。
また、就職先が見つかったとしても、制度改革以前のような高収入での待遇が用意されるわけもなく、年収300万円台で働いている弁護士も珍しくないといいます。
※もちろん全ての新人弁護士が低賃金で働いているわけではなく、大手事務所の弁護士などは以前と変わらぬ高収入が約束されています。
さまざまな働き方も
以前であれば、司法試験合格後は弁護士事務所に就職してイソ弁(居候弁護士)として働き、給料を貰いながら経験を積んだ後に独立していくルートが一般的でした。
新人弁護士の就職ルートとしては現在でもイソ弁がメインルートではありますが、新人弁護士の人数が増加した事によって全ての人材を法律事務所側が受け入れることはできなくなっています。
そのため、そこからあぶれた人達は従来にはなかった形で弁護士としての仕事を担当するようになっています。
【イソ弁】
最も一般的な働き方。
弁護士事務所に就職してイソ弁(居候弁護士)として働き、毎月の給料を貰いながら経験を積む。
1年目で年収300万円~。※事務所の規模などにより異なる。
大手の事務所であれば1年目から年収1000万円を超えるところも。
【ノキ弁】
ボスとなる弁護士(ボス弁)の事務所で一緒に働きますが、あまった仕事をまわしてもらい報酬を得る関係で直接的な雇用関係が結ばれているわけではありません。
※イソ弁との違いは毎月決まった給与が出ない。請け負った仕事の報酬のみが自身の給与となる。
【タク弁】
軒先を貸してもらえる法律事務所すら見つからず、やむを得ず自宅を事務所として開業する。
仕事をまわしてもらう関係すらないので経済状況は不安定。
【ケー弁】
自宅すらも事務所にできず、やむを得ず携帯電話一本で営業活動を行い仕事を得る。
弁護士の収入状況
調査母体の人数が少数のため年毎の年収状況に波がありますが、賃金構造基本統計調査ではおおむね650万円~1000万円程度の年収で推移しています。
サラリーマンの平均年収が約400万円ですから、一般的な水準からみれば、高収入な職業と言えるでしょう。
続いて以下のデータをご覧ください。
※神戸新聞2012年
所得 | 2008年 | 2011年 | 2012年 | 2013年 |
70万円以下 | 2661人 (11.3%) |
5714人 (21.0%) |
5508人 (19.5%) |
4521人 (15.9%) |
200万円以下 | 1252人 (5.3%) |
1221人 (4.5%) |
1544人 (5.4%) |
1947人 (6.8%) |
300万円以下 | 1190人 (5.0%) |
1152人 (4.2%) |
1359人 (4.8%) |
1595人 (5.6%) |
400万円以下 | 1206人 (5.1%) |
1534人 (5.6%) |
1619人 (5.7%) |
1887人 (6.6%) |
500万円以下 | 1254人 (5.3%) |
1596人 (5.8%) |
1860人 (6.6%) |
2002人 (7.0%) |
合計 | 7563人 (32.2%) |
11217人 (41.4%) |
11890人 (42.2%) |
11952人 (42.2%) |
確定申告者数 | 23470人 (100%) |
27094人 (100%) |
28116人 (100%) |
28263人 (100%) |
弁護士総数 | 25041人 | 30485人 | 32088人 | 33624人 |
※上記データは国税庁統計より
上部神戸新聞データでは所得1000万円以上の割合が年々減少しているのが見てとれます。
5000万以下、1億円以下、1億円以上と全ての階級が減少しており、弁護士全体の地盤沈下の様子がうかがえます。
さらに下部データからは、所得500万円以下の割合を人数と共に記載しています。
所得70万円以下というアルバイト並の弁護士が20%(5人に1人)を超えるなど危機的とも言える状況です。
この水準ではまず生活は不可能で、何らかの方法で居住地と他の収入源を確保し、生活しているのでしょう。
生活に支障が出てくる水準である所得300万円以下の多くは「新人弁護士」と予想されますが、難関試験に合格し、やっと働くことができるようになった矢先にこの所得では「弁護士」という職業に疑問を感じざるを得ないかもしれません。
※これらの数値は「所得」(経費を引いた金額)であるため所得が300万円もあれば一般的な生活は可能だと思われます。
収入が減少したもう一つの原因
これほどまでに弁護士の収入が減少してしまったのは弁護士増員の影響が第一だと考えられていますが、もうひとつの原因があります。
それは、インターネットの普及です。
以前であればトラブルがあれば法律家に依頼をしてうまく処理してもらい「事を収める」事が一般的でしたが、現在ではあらゆるトラブルに対する対応策がウェブ上に掲載されているため、かつてほどは弁護士が必要とはされなくなってきています。
景気の影響やインターネットの普及によって企業の顧問契約や個人からの依頼は減少傾向にあり、弁護士の収入を引き下げる一つの要因となっています。
※訴訟件数 2003年度が600万件→2011年度は400万件にまで減少。
※顧問先を保有する弁護士の割合2000年80.6%→2010年63.5% 日弁連調査。