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元タカラジェンヌの出版物やウェブ・TVでのインタビューなどから導き出した宝塚歌劇団員(タカラジェンヌ)の年収・収入状況を掲載しています。
宝塚歌劇団員
(タカラジェンヌ)
年収:300万円前後
男役トップスター:1000万円以上
タカラジェンヌとは
タカラジェンヌとは未婚女性だけで構成されている歌劇団「宝塚歌劇団」の団員のこと。
宝塚大劇場(兵庫県宝塚市)と東京宝塚劇場(東京都千代田区)の二つの劇場を中心に公演が行われ、歌劇団員の総数は約400人。
現在は花組・月組・雪組・星組・宙組(そら)の5組があり、それぞれに主演を務める男役・娘役のトップスター・トップ娘役が存在しています。
宝塚歌劇団員(タカラジェンヌ)になるには
タカラジェンヌの養成機関である宝塚音楽学校に入校・卒業すれば、宝塚歌劇団員(タカラジェンヌ)になることができます。
※宝塚音楽学校以外からタカラジェンヌになる方法はありません。
入学試験は3次試験で構成されており、競争倍率は例年20倍以上。
ほとんどの受験者が専門のタカラヅカ対策スクールでバレエや立ち居振る舞いを年単位で学んだ後に試験に臨んでいます。
タカラヅカの舞台にふさわしい容姿とスタイルが求められるため、合格には相当な努力が必要になります。
宝塚音楽学校について
音楽学校は1年目【予科】、2年目【本科】の2年制。
バレエや声楽、演劇、ダンスなど団員として活躍するための基礎をここで学びます。
規則正しく厳しい生活
とにかく規則(校則ではない)が多く、「日本で一番厳しい学校」だといわれています。
・通学の際には電車の最後尾にのみ乗ることができる。※座ってはいけない。
・上級生には必ず従う。また上級生も予科生の面倒を見なくてはならない。
・咲いた花を生けてはならない。自身がまだ「つぼみ」の身分なので。
・廊下を曲がる時には直角で曲がる。
・ヘアスタイルは髪の毛1本でも乱れてはいけない。
など、一般人には考えられないような数え切れないほどの決まり事があるそうです。
タカラジェンヌ
卒業後は宝塚歌劇団に入団し、宝塚の舞台で活躍する事になります。
宝塚歌劇団には花組・月組・雪組・星組・宙組の5組があり、タカラジェンヌは基本的にはいずれかの組に所属しています。
ダンスに華のある花組、ゴージャスな雰囲気の星組など、それぞれの組ごとの「カラー」は存在していますが、組間での優劣は存在していません。
スターシステム
タカラヅカでは「スターシステム」が採用されています。これは
【主演の男役:トップスター】
【主演の娘役:トップ娘役】
を頂点に2番手・3番手と明確な序列が定められ、最重要な役をトップスター、その他の重要な役を上位の人物が必ず担当するシステムです。
また、脚本もトップスターがより輝くように構成されることが絶対で、タカラヅカではトップスターを中心として舞台進行が行われます。
男役・娘役について
男役や娘役は身長や顔立ちをもとに音楽学校時代に自身で決定します。
娘役はもともとが女性であるため、ほとんどの人に適性があります。
タカラヅカの華は何と言っても「男役・トップスター」ですから、男役の場合は身長と顔立ちが重要で、それなりの高さと端正さが無いと成功することは難しいようです。
かつてのトップスター天海祐希さんは、身長171cm、顔立ちは面長と舞台上ではとても凛々しく映える存在だったそうで、現在でも「史上最高」と評価する人が少なくありません。
※まれに男役から娘役に立場を変える人もいます。
トップスターについて
トップスターは人気・実力をもとに選ばれます。
入団から10年以上の経験を積んでいる人がほとんど。
天海祐希さんのように7年でトップスターになることは例外中の例外でほとんどの人は音楽学校卒業から10年以上かけて、30代でトップに就任しています。
トップスターの在任期間は2年から5年程度。
後進に道を譲る意味もあるそうですが、年間100本以上の舞台で連続して主演を張り続ける事ができるのは数年程度が限界なのかもしれません。
休日について
年間にこなす舞台数は150を超えると言われており、相当な体力が必要な職業です。
また、舞台がない日には稽古があり、週に1回の定休日以外では長期的な休日をとることはほとんどできないようです。
結婚や退団について
退団については自身で決めることができるようです。
もちろん、トップクラスになると様々な調整が必要になりますが、「女優やダンサーを目指す」「やりきった」など、それぞれの理由で退団する事が多いようです。
男役・娘役問わず、舞台を降りればタカラジェンヌといえども年頃の女性です。
プライベートでは「彼氏」がいる人もいて、寿退団するケースもあります。
ただし、結婚する際には退団しなければなりません。
収入について
給与体系については「すみれコード」(タカラヅカの清廉なイメージに相応しくない言葉の総称)といわれており、詳細は不明です。
公式には情報は一切公開されていません。
ただ、元団員の書籍やインタビューなどでは、「一般のOLよりも少ない程度」とコメントされている事が多く、おそらく月給で10万円前半~後半くらいで年収は300万円程度だと予想されます。
各組のトップスタークラスで1000万円以上は支給されているようです。
ちなみに、歌劇団入団から5年目までは阪急電鉄の社員としての契約が結ばれ、その後はタレント契約となり個別に契約が結ばれます。
トップクラスになると
宝塚歌劇団には公式のファンクラブ「宝塚友の会」が存在していますが、あくまでも歌劇団全体に対するファンクラブで、個人に対する公式のファンクラブは存在していません。
そのため、トップスターや人気のあるジェンヌには私設ファンクラブが結成されています。
「私設」のファンクラブといえどもその内容は芸能事務所さながらで、会員向けチケットの取り次ぎから車の送り迎え、食事の支払い、ファンイベントの開催など、ありとあらゆるサポートが行われています。
タカラヅカの世界では「私設」がほとんど「公式」の扱いになっているのが実情で、タカラジェンヌのもう一つの収入源になっています。
中には「家族よりも大事」と全てを投げ打って第一線で頑張るファンもいます。
一般的な感覚では理解しがたい熱烈なサポートぶりですが、それほどまでに人を心酔させる魅力がタカラヅカには存在しているのでしょう。
タカラジェンヌへの道は険しい
宝塚の舞台で活躍できるようになれば収入も増加し、ファンからの手厚いサポートも受けられるようになりますが、そこに至るまでには
・受験スクールの高額費用の捻出
・音楽学校での厳しい生活
・歌劇団での熾烈な競争
など多くの苦難を乗り越えていかなければなりません。
舞台にたどり着くまでの努力と得られる報酬を考えれば、決して割の良い職業とは言えないのが実情です。
そういった状況でありながらもタカラヅカの舞台を目指す子女の数は減少する気配を見せません。
舞台のトップスターの輝きとそれに対する憧れは、そんな状況をも払拭するほどに魅力的なものなのかもしれません。
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