
ホストクラブの求人サイトや求人誌のデータ、専門誌などの情報を集計し、ホストの年収・収入状況を掲載しています。
ホストの年収
NO.1クラス
数千万円~1億円以上
中堅
200万円~600万円程度
新人
0円~200万円程度
ホストとは
ホストとはホストクラブで来店する女性客の接待をする男性スタッフです。
新宿歌舞伎町が最大の市場で歌舞伎町で営業しているホストクラブの数は200とも250ともいわれています。
ホストになるには

ホストになるにはホストクラブの求人に応募し採用されればなる事ができます。
ホスト業界は慢性的な人材不足であるため、ほとんど全てのホストクラブで常に求人が募集されています。
なるために必要な資格や学歴は無く、20代の男性であれば誰でも体ひとつでなれる職業です。
容姿が良い方が当然ながら好まれますが、ホストにも様々な売れ方がありルックスだけが全てではありません。
「NO.1」と呼ばれる一番の売上を稼ぎ出すホストの中には”3枚目”の人も少なくありません。
人材の特徴としては若い頃に”やんちゃ”だった人が多く、業界としても体育会系の体質が根強く残っています。
ホスト業界の仕組み
ホストクラブ(経営者)とホストはいわゆる雇用主と従業員の関係ではありません。
ホストの一人一人は「個人事業主」という立場で、ホストクラブとしては「場所」を提供しているだけの関係になります。
そのため、ホストクラブとしては所属しているホストの数が増えれば増えるほど売上が上がって利益につながる仕組みになっており、常に人材募集がかけられている要因のひとつでもあります。
また、そのような関係から社会保険などの福利厚生の整備は不十分な所が多くなっています。
ホストの年収・収入について
ホストの収入は給与システムや人気、箱の大きさ、集客力、地域によって様々ですが、基本的には売上を上げた分だけ収入が上昇していくシステムになっています。
東京歌舞伎町であれば、トップクラスで年収1億円を超えるホストもいますが、入店直後の新人の場合だと0円、または罰金がかさんでマイナスという人もいます。
ホストは完全なる格差業界でサラリーマンとは比べものにならないくらい上下間の収入差があります。
ランク | 月収 | 年収 |
---|---|---|
NO.1クラス | 数百万~1000万円以上 | 数千万円~1億円以上 |
中堅 | 20万円~50万円程度 | 200万円~600万円程度 |
新人 | 0円~15万円 | 200万円程度 |
新人といえども入店直後から頭角を現して凄い売上を叩いたり、NO.1といえども小さなホストクラブでは収入はそれほどでもなかったりと、一概には言えないのが実情です。
ホストクラブの給与システム
売上が上がるほどに収入も増加していくシステムはどこも同様ですが、細かい点での給与システムは各ホストクラブによって様々です。
ある一定の金額、または入店までの一定期間までは日給や時給を優遇した基本給・保証給をメインとした給与が支払われ、一定以上の売上になるとバック率を上げて歩合を強くした形で支払うケースがほとんどです。
※スライドバック方式
ケース1
入店から売上50万円まで、最低保証給 日給6000円~8000円
50万円~100万円 50%バック
100万円~150万円 51%バック
以降は売上に応じてバック率が上がる。
ケース2
3ヵ月までは日給保証 1日7000円
3ヵ月以降は
0万円~30万円 時給1000円 5%バック
30万円~50万円 時給1200円 10%バック
50万円~70万円 時給1400円 15%バック
以降は売上に応じてバック率が上がる。
※バックとは小計売上に対するパーセンテージです。
30万円の50%バックであればホストへの給与は15万円
また、プレイヤーは基本的に個人事業主扱いとなるため、源泉徴収として10%差し引かれるのが通常です。
上記の他にさまざまな手当て・賞金・罰金もあります。
-手当て・賞金-
指名手当て:2000円
ランキング上位:1位3万円など順位に応じて
皆勤賞:20000円
-罰金-
無断欠勤:-3万円
欠勤:-5千円
遅刻15分:-2千円
一人前のホストの売上げ
ホストの売上とは「小計(しょうけい)」といわれるサービス料や税金が加算される前の金額になるのが通常です。※総額の所もある。
小計100万円だとすると、通常はそこに消費税8%とサービス料が20%~30%程度加算され、総計で130万円くらいになります。
ホストとして「一人前」といわれるラインは小計で売上100万円。
この数字をコンスタントに叩く事ができるホストは一人前のプロとして周りから認められるといいます。
バック率が40%~60%位とすると小計100万の売上でホストが手にする金額は40万円~60万円。
一月の売上で「100万円」という数字は一般の感覚からすれば相当な金額ですが、実際にホストに支給されるのは多くても60万円程度になります。
サラリーマンであれば、少し恵まれている大手企業クラスの水準ですが、毎日LINEをしたり、アフターにつき合ったりと売上を上げるための努力を考えれば、そう割の良い職業とはいえないのかもしれません。

現在はタレントとして活躍している有名な元NO.1ホスト城咲仁さんはホスト時代の収入が手取りで月収1000万、年収一億円を超えることも珍しくなかったそうです。
ホストの最高売上と最低売上

ホストの最低売上は0円
お客が呼べずに遅刻や無断欠勤、売掛けを払ってもらえずに「飛ばれた」時、などに記録する数字が0円です。
大口のお客に「飛ばれた」(逃げられた)場合は、0円では済まずにマイナスになることも。
ホストの最高売上
ホストの記録には3つの記録があります。
それは1日の売上、月間売上、年間売上の3つ。
1日の売上では歌舞伎町のプラチナ本店に勤務していたローランドさんの6000万円が最高水準。
月間売上ではMen's & Queenの愛夢路 澪さんが記録した1億円が2018年現在の最高額だと言われています。

年間売上ではどのトップホストもおおむね2億円程度。
バースデー月に数千万円を売りあげて、後はコンスタントに1000万円以上の売上を記録する水準です。
上記の様に1日や月間の売上ではホスト毎に大きな差が出ますが、年間トータルではどのホストも2億円付近に落ち着きます。
これはホスト1人で稼ぎ出せるのは「2億円が限界値」という事なのかもしれません。
ホストの収入分布図

ホストの収入分布はどのくらいなのか?
確実な統計データは存在していないため、協力者への取材から実際に算出した収入分布は上記のような結果となりました。
割合 | 月収 |
---|---|
上位1% | 月収1000万円以上 小計売上で常に月1000万円以上 歌舞伎町やミナミでもかなりの少数。 他店舗のホストにも知られているクラス。 |
上位10% | 月収100万円~1000万円 小計売上で月数百万円 一般的なホストクラブのNO.1から幹部クラス。 |
上位10%~30% | 月収20万円~100万円 小計売上で月50万円以上 一般的なホストクラブの中心ホスト。 |
全体の70% | 月収20万円以下。 小計売上で月50万円以下 ほとんど喰えないレベル。 ホストが合わない、売上が上げられないとして、辞めていく層。 |
これらの数字は東京や大阪など大都市圏のホスト限定となります。
マーケットの小さい地方、つまり「お金持ちの少ない地域」では、月収で1000万円を超えるホストはほとんど存在していません。
また、全体の収入水準も地方ほど低下する傾向にあります。
月収1000万円以上、年収1億2000万円以上
ホストのトップが記録する数字で、パーセンテージーの都合上1%としましたが、割合としては1%も実際には存在していません。
太客のエース、準エースなど多数のラインナップを持つ、それなりの有名店のNO.1クラスが記録する収入。
小計売上で1000万円以上を毎月記録し、バースデー月で数千万円の売上が必要。
このクラスになると役職もそれなりの立場になるため、店全体の売上バックなど本人の売上以外からの収入があるケースも多い。
月収100万円から月収1000万円
割合としては上位1割。
だいたいの店舗ではこのクラスの売上でNO.1になれる。
エース、準エースを擁して、小計売上で数百万円を毎月売り上げるレベル。
このクラスになると幹部として役職がついている人がほとんど。
※エースとは、そのホストに一番売上で貢献しているお客。準エースは2番手。
月収20万円から月収100万円程度
小計売上で月に50万円~200万円程度。
割合としては上位2割から3割。
このクラスになると、それなりの収入となり相応の生活ができるようになる。
月収0円から月収20万円程度
ほとんどのホストがこの水準。
全ホストの7割から8割はこの程度の収入しか得ることができない。
ここから売上を伸ばせない人は生活ができなくなり、自然に退職となる。
経費も相当な金額に
トップクラスのホストなら数百万の月収、数千万の年収を得る事も珍しい事ではありませんが、その収入が全て自身のものになるわけではありません。
スーツ代や時計などの装飾品、毎日の美容院代、サポートしてくれている後輩達のご飯代などトップであるためのそれ相応の経費も必要になります。
回収業務
毎回現金で料金を支払うお客もいますが、ホストクラブでは「売り掛け」(※ツケ払い)で支払いをするお客も少なくありません。
そして売り掛けは担当のホストが回収する決まりになっているため、そのお客から期日までに支払いが無かった場合には代わりに担当ホストが支払わなければなりません。
ホスト用語で「飛ぶ」と言い、飛んだ場合には負債は全て請負い、給与から天引きされます。
給与よりも負債が多くなった場合は店への借金となり、翌月の給与から天引きされます。
飛ばれると一気に収入が無くなる恐れがあるため、締め日付近には確認の電話をかけたり訪問して回収に行く事が多くなります。
大金を支払える客はどんな人?
ホストに対して月に100万円、200万円という大金を支払えるのはどのような人なのか?
ヤリ手の女社長、あるいは有名な女性占い師が大金を支払うようなイメージを持っているかもしれませんが、実際にはそのほとんどがお水系・風俗系の若い女性です。
一般客は普通の職業の女性がほとんどですが、ホストの売上の大半を支える「エース」クラスになると、ほとんどがお水系の職業で働いています。
普通の仕事では、月に100万円単位でお金を稼ぐ事はできません。
ホストの世界は夜の職業、裏の職業の女性達で多くが構成されているのが実情です。
厳しいホスト業界

上記の給与システムをからもわかるように、ある一定の期間(採用後3ヵ月程度)は猶予期間が設定されているためそれほど売上が上がらなくてもそれなりの収入になりますが、それ以降に売上が立たなかった場合は生活ができないほどの薄給になります。
仮に新人10人がいたとしても3ヵ月後に何人か残っていれば良い方で、ほとんどの人は業界の厳しさに耐えきれずに辞めていくといいます。
ホストというのはお客との「心理ゲーム」のプレイヤーです。
ルックスが良いから、トークができるからという単純な理由だけで成功できるほど甘い世界ではありません。
お客の求めているものを見つけ出し、「どうすればそれを満たすことができるのか」を常に考えながら行動できる人間でないと成功することは難しいといいます。
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