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映画監督という職業は多くの人々にとって魅力的であり、クリエイティブな才能を発揮する場として知られています。
しかし、その裏にはどのような経済的な実態が隠されているのでしょうか?
この記事では、映画監督の平均年収や経験での収入のばらつき、そして成功するためのキャリアパスについて詳しく探ります。
映画の裏側に潜む経済的な側面を知ることで、映画監督という職業の魅力や課題をより深く理解する手助けとなるでしょう。
専門誌やインタビューなどから映画監督の収入データを集計し、映画監督の収入状況を掲載しています。
映画監督の年収
駆け出し:0~数十万円
有名監督:1000万円以上
最低年収:350万円
※日本映画監督協会規定
映画監督になるには
映画監督になるにはいくつかのルートがあります。
2.自主制作で映画を制作する。コンテストで入賞するなど能力が認められ興業映画を制作する。
3.映画監督などに弟子入りし実力を磨き、後に監督になるチャンスを目指す。
4.俳優やタレントから映画監督になる。
1年目:ギャラ100万円程度。低予算の映画をつくりあげる。
5年目:ギャラ300万円程度。
10年目:ギャラ500万円程度。
※ヴァンタンスクープより
基本的にはまずは最初に小さな映画を撮影します。
※最初に監督を担当することすらも相当な努力と能力が必要。
その後は能力次第で徐々に大きな作品が撮れる立場にステップアップしていくのが通常です
ただ、最初の映画を監督する前に、ステップアップの間に、多くの監督志望者が現実の厳しさに直面し、業界を去っていくといいます。
全国の映画館で放映されるような監督になれるのはほんの一握りで、ほとんどの人はなりたくてもなれないのが現実です。
収入について
映画監督の収入は監督の経歴やスポンサーなどの要素によって様々なのが一般的で、平均年収は取得できませんでした。
日本映画監督協会では最低報酬に350万円が設定されていますが、実際にはその規定はあって無いようなものだといいます。
共通していわれているのは「映画監督は喰えない」ことで、日本では映画監督の仕事だけで食べていける人はほとんどいないのが実情です。
ほとんどの人が兼業で、学校の講師やCM撮影など監督業以外のアルバイトをこなしながら続けています。
・企画から編集までの期間と制作費がかかるが収入は少ない。※映画としての興行収入のこと
・日本の映画のマーケットが小さく、資金集めが難しい。
日本の映画監督の収入状況はかなり厳しく、現在では日本を代表するメジャー監督に成り上がった「園子温」監督でさえ、40代まではまともにご飯が食べられなかったといいます。
映画監督の初任給・月給
映画監督は1本ごとの契約報酬となるため、初任給や月給という概念はありません。
唯一、映画制作会社に所属している映画監督の場合のみ月給が支給されますが、その場合は会社の規定となり一般のサラリーマンと大きな差は無いと予想されます。
新人と有名監督のギャップ
おおむね駆け出しの頃でノーギャラ~数十万円、有名監督で1000万円以上となります。
ノーギャラならまだ良い方で、中には借金をして自腹で制作費を請け負っている監督も少なくありません。
アカデミー賞を受賞した名監督、世界の「黒澤明」さんも現役時代には多くの借金を抱えながら制作を続けていました。
最高報酬・最低報酬
日本の映画監督の最低報酬は0円、もしくは借金を抱えたマイナス。
明確な最高報酬は不明ですが、「踊る大捜査線 THE MOVIE 2 レインボーブリッジを封鎖せよ!」を監督した本広克行さんが1億円を超える収入を得たとyoutubeや雑誌の取材で公開されています。
なお、この収入が得られたのは収入に応じてロイヤリティが計算される契約にしていたからで、仮にギャラ契約であったなら100万円に満たない報酬しか貰えなかったとのこと。
170億円を超える興行収入を記録するのは並大抵のことではありませんが、夢のある数字と言えます。
世界に目を移せば、「アバター」のジェームズキャメロン監督の約30億円が最高水準。
スピルバーグ監督などトップクラスであれば1本あたり数億円以上の報酬になります。
所属別の年収
所属 | 収入 |
---|---|
映画製作会社 | サラリーマン水準 |
独立系 | 予算次第 制作費1億で監督報酬数十万程度 有名監督であれば1本あたり1000万円も |
自主・インディーズ系 | ほぼノーギャラ ※借金を抱えながらの人も多い |
★映画製作会社(東映・東宝など)所属の場合
収入は制作会社の規定次第。
ヒットの度合いに応じてインセンティブが支給されることもあるが、基本的には大きな収入は望めない。
悪く言えば、結局はサラリーマン。
★独立した映画監督の場合
制作会社などから指名で映画を指揮する監督の場合、収入は様々。
有名監督であれば1本あたり1000万円を超えることも。
制作費1億円程度で基本的には数十万円~、1億円以上であれば数百万円程度が平均報酬となる。
※ノーギャラのケースも存在する。
★自主制作・インディーズ系の場合
自主制作、インディーズ系の場合、監督の報酬は0に等しい。
監督のみならず出演者、スタッフにいたるまでノーギャラのケースも。
ヒットすれば興行収入が得られるケースもあるが、自主制作・インディーズ映画が大きくヒットすることはめったに無い。
大ヒットしたインディーズ映画「カメラを止めるな」の制作費は300万円で出演者はノーギャラで撮影が行われた。
ヒット作を手掛けることが成功への近道
作品のヒットは映画監督の収入と仕事依頼に大きな影響を与えます。
ヒット作を手掛けることで、人気・知名度・1本あたりの報酬額が一気に高まります。
そして、映画監督としてだけでなく、講演・講師の依頼やCMなど他の動画制作の仕事も大きく増加します。
その結果として潤沢な予算と良いスタッフ・キャストで映画を撮る事ができるようになり、良い作品を制作しやすいスパイラルができあがります。
映画監督の報酬、収入がなぜ低いのか
リスクと報酬
映画製作は高リスク、高報酬の業界です。
成功すれば大きな収益を上げる可能性がありますが、失敗すれば赤字になる可能性も高いです。
新人監督や独立系の監督は、特にこのリスクが高く、歌手のさだまさしさんは映画「長江」で借金28億円、カールスモーキー石井さんは1996年公開の「ACRI」で10億円を超える借金を背負い自殺を考えるまでに思い悩んだそうです。
フリーランスの多さ
多くの映画監督はフリーランスとして働いているため、安定した収入と安定した仕事がありません。
プロジェクトが終われば収入が途切れる可能性があり、次の仕事を探さなければならない不安定な状況が続きます。
ヒット作を制作し続けられれば多くの仕事が舞い込むものの、そうでない場合は一瞬にして業界から姿を消すことになります。
初期投資が必要
映画製作には多くの初期投資が必要です。
新人監督や独立系の監督は、自分の貯金や借金を使って映画を製作することがあります。
借金まみれの映画監督も業界では珍しい話ではありません。
興行収入の分配
映画が成功しても、その収益は多くの関係者と分け合われます。
映画監督が受け取る部分は必ずしも大きくありません。
制作者側、興行主が多くを受け取り、映画監督には微々たる分配しか行われない契約も珍しくはありません。
競争が激しい
映画監督を目指す人は多く、その中で成功する人は少ないです。
借金を抱えようとも低報酬であろうともチャレンジする人が多いため、映画監督が低収入になる状況が生まれやすくなっています。
映画監督のなり手が多いために、制作予算の分配として監督報酬に当てられる部分は多くはありません。
予算の殆どは、まずは出演者や制作費にあてがわれ、監督の報酬は一番最後にまわされる事がほとんどです。
映画監督の本当の収入源
上記で、「映画監督が映画制作だけで収入を得ることは厳しい」という現実を知らせてきました。
監督業だけで生活出来ないわけですが、映画監督が映画製作以外で収入を得る方法は多岐にわたります。
アルバイトや別業種で働く
単純に別の仕事(本業)を持っている監督も多い。
時間に融通の効くアルバイトや自営業、タレント業など。
脚本執筆
映画監督は自らの映画の脚本を書くことがありますが、他の監督やプロデューサーのために脚本を書くこともあります。
講演・セミナー
成功した映画監督は、その経験と知識を共有するために講演やセミナーを開くことがあります。これも一定の収入を得る方法です。
教育・指導
映画学校や大学で教鞭をとることで、安定した収入と教育的な充足感を得ることができます。
むしろ、こちらが本業という人も多い。
書籍・エッセイの執筆
自らの経験や考えをまとめた書籍やエッセイを出版することで、知識と収入を得ることができます。
エンターテイメント誌や専門雑誌でのエッセイや文章制作を副業としている監督も少なくありません。
コンサルティング
映画製作に関する専門的な知識を活かして、他の製作会社や監督に対してコンサルティングを行うこともあります。
★映画のストーリー構造や脚本に対するフィードバックと改善案を提供。
★撮影、編集、音楽、特殊効果など、製作の各フェーズにおける最適な手法や技術提供。
★映画のプロモーション戦略や配信方法、ターゲットオーディエンスの特定など。
★映画製作に必要な予算の設定と、資金調達の方法についてのアドバイス。
★著作権、契約、許可など、映画製作における法的な問題に対するコンサルティング。
商品・グッズの販売
自らの映画やブランドに関連する商品やグッズを販売することで、追加の収入を得ることができます。
キャラクター・ストーリーのライセンス販売
成功した映画のキャラクターやストーリーを他のメディア(例:テレビ番組、ゲーム、漫画など)で使用する許可を販売することもあります。
日本の映画監督とハリウッドの映画監督の収入差
日本の映画界と世界の最先端であるハリウッドの収入差の実情です。
ハリウッドの映画監督
高額な報酬
ハリウッドの成功した映画監督は一本の映画で数百万ドル、場合によっては数千万ドルの報酬を得ることがあります。
※1本10億円以上
ロイヤルティとバックエンド
アメリカは徹底した契約社会です。
映画業界も同様で、成功した映画からは興行収入や商品販売によるロイヤリティが多く得られる契約になっているケースがほとんどです。
多様な収益源
ハリウッドの監督は、プロデューサー、脚本家、あるいは俳優としても活動することが多く、多角的な収益源を持っています。
国際的な影響力
ハリウッド映画は世界中で観られるため、成功すれば国際的な収益を上げる可能性があります。
世界的ヒット作「スターウォーズ」クラスになると、興行収入が1000億円を超えることもあり、100億円で大ヒットの日本映画界とは桁違いの影響力があります。
ハリウッドは桁違い
アメリカには億単位の収入を得ている映画監督が数多く存在しています。
世界公開を基本としているハリウッドと国内だけをターゲットにしている日本映画界との規模の違いを考慮しても、収入、映画監督の地位に絶大な格差があります。
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