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日本相撲協会データより、大相撲の力士の年収・収入状況を掲載しています。
大相撲の力士の年収
横綱:4803万円~
大関:3937万円~
三役:2786万円~
平幕:2186万円~
十両:1711万円~
幕下以下:100万円未満
大相撲の力士とは
力士とは相撲部屋に所属して日々トレーニングを行い、両国国技館などで相撲をとる人の事をいいます。別名「関取」とも呼ばれています。※十両以上。
力士になるには
力士になるには相撲部屋に入門しなければなりません。
自ら相撲部屋と連絡を取り入門の意思を伝えれば、後は親方の判断次第で認められます。
当然ながら体格の大きい運動神経の良い人材が好まれるようです。
その後、本場所毎に行われる新弟子検査に合格すれば、日本相撲協会に登録され、力士として認定されます。
体格の大きい外国人力士の台頭や激しい稽古を嫌う若者が増加しているため、現在では日本人のなり手が減少し続けています。
力士の年収・収入状況
大相撲の力士の給与システムは、月給や賞金を日本相撲協会から受け取るサラリーマンのようなシステムになっています。
番付別年収
番付階級 | 地位・称号 | 給料 |
---|---|---|
幕内 | 横綱 | ○ |
幕内 | 大関 | ○ |
幕内 | 関脇 | ○ |
幕内 | 小結 | ○ |
幕内 | 前頭~ | ○ |
十両 | 十両 | ○ |
幕下 | 幕下 | X |
三段目 | 三段目 | X |
序二段 | 序二段 | X |
序ノ口 | 序ノ口 | X |
番付外 | 番付外 | X |
月給は地位によって実力順に序列化されており、全体で650人以上いる力士の中で月給が支給されるのは横綱から十両までの70人。
それ以下の番付の力士は「力士養成員」という立場となり月の給与は支給されません。
月給が無い代わりに幕下以下の力士には本場所ごとに場所手当や奨励金が支給されます。
2021年の総力士数は約650人ですから、上位10%程度の力士にしか給与が支給されない厳しい世界となっています。
横綱から十両の年収・給与・手当一覧
横綱から十両までの力士には給与・ボーナスが支給されます。
力士が受け取る事のできる主な収入は以下の通り。
【現役】
◇月給
◇賞与・ボーナス
◇本場所特別手当
◇出張手当
◇力士補助金
◇力士報奨金
◇懸賞金
【引退後】
◇退職金(養老金・勤続加算金)
◇懸賞金の納税充当金
◇特別功労金(横綱・大関のみ
力士の月給
大関:250万円 ※年間3000万円
三役:180万円 ※年間2160万円
幕内:140万円 ※年間1680万円
十両:110万円 ※年間1320万円
力士の月給は横綱で300万円、大関で250万円、一番下の十両でも110万円とかなりの高給が期待でき、力士になることができれば、年収は1000万円を余裕で超えてきます。
力士の賞与・ボーナス
大関:250万円 ※年間500万円
三役:180万円 ※年間360万円
幕内:140万円 ※年間280万円
十両:110万円 ※年間220万円
9月と12月にそれぞれ1ヵ月分の月給が賞与として支給される。
賞与の年間総額は2ヵ月分の月給。
各種手当
【本場所特別手当】
3役以上の力士に対して本場所毎に支給される手当て。年間六回支給されるが欠場した日数に応じて減額がある。
横綱:20万円
大関:15万円
三役:5万円
【出張手当】
出張手当は3月・7月・11月場所の年3回、35日分が支給される。
横綱 宿泊費:8000円 日当:3000円
大関 宿泊費:7500円 日当:2000円
三役 宿泊費:6500円 日当:1600円
平幕 宿泊費:5700円 日当:1400円
十両 宿泊費:5300円 日当:1200円
【力士補助金】
1月・5月・9月場所の年3回、髪結の補助金として支給される。
横綱も十両も金額は変わらず一律2万5千円。
【力士報奨金】
本場所の成績によって受け取る事ができる賞金。
「持ち給金」といわれる支給標準額があり、力士の地位と成績によって支給される金額がそれぞれ異なる。
白鵬 | 約840万円 |
鶴竜 | 約155万円 |
琴奨菊 | 約90万円 |
豪栄道 | 約88万円 |
栃煌山 | 約73万円 |
報奨金は勝ち星と優勝回数によって決定されますが、歴代最多の優勝回数を誇る白鳳の力士報奨金は約840万円、年額5000万円程度。
年間6場所に出場するだけでこの金額が約束されます。
※2020年1月
懸賞金
懸賞を出す企業の支払いは7万円。
・相撲協会が必要経費として1万円。
・残りの3万円は納税充当金として積み立て。
※税金が払えない時は納税充当金を使用する。余剰分は引退時に退職金と同様に支給される。
順位 | 力士名 | 本数 | 賞金額 |
---|---|---|---|
1 | 照ノ富士 | 221 | 1326 |
2 | 白鵬 | 197 | 1182 |
3 | 正代 | 77 | 462 |
4 | 御嶽海 | 60 | 360 |
5 | 高安 | 51 | 306 |
6 | 逸ノ城 | 41 | 246 |
7 | 豊昇龍 | 40 | 240 |
8 | 宇良 | 32 | 192 |
9 | 霧馬山 | 25 | 150 |
9 | 明生 | 25 | 150 |
※2021年名古屋場所
横綱・大関クラスになると1場所の懸賞金だけで1000万円を超えることもあります。
大相撲は年6回開催のため、年間合計で6000万円以上は稼ぎ出すことに。
優勝賞金・副賞・殊勲賞など
番付 | 優勝賞金 |
---|---|
幕内 | 1000万円 |
十両 | 200万円 |
幕下 | 50万円 |
三段目 | 30万円 |
序二段 | 20万円 |
序ノ口 | 10万円 |
優勝賞金はやはり幕内が別格で1000万円の賞金が設定されています。
力士養成員である幕下以下に関しては50万円以下とかなり寂しい状況。
【副賞】
優勝すると賞金以外に副賞も受け取ることができます。
・日本酒1樽
・花
・トロフィー
・陶器
・ガソリン1年分
・食品(鶉の卵5万個、名古屋コーチン、うなぎ、宮崎牛1頭分、旬の果実1トンなど)
協賛企業の商品、地域の名産品、友好国の特産品など、特色を生かした副賞がほとんどです。
珍しいケースでは「巨大ティーカップ」「巨大マカロン」など珍品?が贈られることもあります。
【殊勲賞・敢闘賞・技能賞】
本場所で活躍すると殊勲賞、敢闘賞、技能賞の三賞を受賞することがあります。
三賞の賞金はそれぞれ200万円。
【その他】
平幕力士が横綱に勝つ事を金星といい、金星1つにつき4万円が支給されます。
それが現役引退まで続き、現役でいる間は場所ごとに金星1つにつき4万円の報奨金を得ることができます。
その他の収入
相撲以外にもCMやテレビ出演、イベント出演などの副収入もあります。
中でも大きな金額が動くのがCM関係でイメージキャラクターとして契約するだけで、有名力士であれば数千万円の契約金が発生します。
白鳳関:CM1本数千万円
元横綱朝青龍:CM1本数千万円
貴乃花親方:テレビ出演1本100万円、断髪式の放映権料1億5000万円
強烈な強さで人気があったり、キャラクターが立っている力士ほど需要があります。
力士の年収・手当一覧
項目 | 横綱 | 大関 | 三役(関脇・小結) | 平幕 | 十両 |
---|---|---|---|---|---|
月額給与 | 300万円 | 250万円 | 180万円 | 140万円 | 110万円 |
年額給与 | 3600万円 | 3000万円 | 2160万円 | 1680万円 | 1320万円 |
年額賞与 | 600万円 | 500万円 | 360万円 | 280万円 | 220万円 |
特別手当 | 120万円 | 90万円 | 30万円 | ||
出張手当 | 115.5万円 | 99.7万円 | 85万円 | 74.5万円 | 68.2万円 |
力士補助金 | 7.5万円 | 7.5万円 | 7.5万円 | 7.5万円 | 7.5万円 |
力士褒賞金 | 60万円 | 40万円 | 24万円 | 24万円 | 16万円 |
年額報酬 | 4803万円 | 3937.2万円 | 2786.5万円 | 2186万円 | 1711.7万円 |
横綱が4803万円、十両以上が1711万円と「関取」になることができれば相当な高収入が期待できます。※関取とは十両以上の力士の事。
これらの他に、懸賞金や後援会からの援助、イベント出演やCM出演などの副収入があり、十両以上になれれば2000万円以上の年収は確実です。
横綱は年収1億以上
角界最高位の横綱ともなれば1億円以上の年収は間違いありません。
横綱として長く活躍した元朝青龍関は年収1億円以上、引退時には退職金3685万円と1億2000万円の功労金、引退時に支払われる協会積立金と合わせて約3億4000万円が支給されたといいます。
幕下以下の年収・給与・手当一覧
十両以上の「力士(関取)」に対して、幕下以下は「力士養成員」と呼ばれます。
幕下以下の幕下、三段目、序二段、序ノ口、番付外には月額の給料は支給されず、基本的には無給の待遇となりますが、その代わりに「幕下以下奨励金」が本場所ごとに年6回支給されます。
項目 | 幕下 | 三段目 | 序二段 | 序ノ口 |
---|---|---|---|---|
場所手当 | 16.5万円 | 11万円 | 8.8万円 | 7.7万円 |
年額報酬 | 99万円 | 66万円 | 52.8万円 | 46.2万円 |
勝星奨励金(1つあたり) | 2500円 | 2000円 | 1500円 | 1500円 |
勝越金(1つあたり) | 6000円 | 4500円 | 3500円 | 3500円 |
幕下:年収99万円 + 勝星奨励金 + 勝越金
三段目:年収66万円 + 勝星奨励金 + 勝越金
序二段:年収52.8万円 + 勝星奨励金 + 勝越金
序ノ口:年収46.2万円 + 勝星奨励金 + 勝越金
どんなに勝ち続けたとしても、幕下以下では年収200万円が精一杯の水準です。
十両の年収1700万円とは天と地ほどの差で十両に上がれるか否かで生活水準は大きく異なります。
日本のプロスポーツの世界でも1つの階級差でここまでの年収差がつけられるのは大相撲の力士だけです。
経費も相当な金額に
かなりの金額を稼ぎ出す力士ですが、必要経費も相当な金額になるためそれほどお金は残らないといいます。
元横綱貴乃花の現役時代には自身のクレジットカードを若い衆に渡して焼肉などをごちそうしていたそうですが、若い力士は一般人とは桁違いの食事量のため一回の食事だけで100万円を超えた事もあったそうです。
相撲取りは「見栄」で成り立っている部分もあり、着物などの衣料費や交際費の出費も相当な金額になります。
タニマチの存在
相撲部屋や幕内力士にはそれぞれ「タニマチ」といわれる後援者がいます。
個人であったり団体であったりと様々ですが、相撲のチケット買い取りから遊興費の金銭的援助までありとあらゆるバックアップを担当します。
タニマチになるには相当な資金力が必要で、だいたいは会社の社長や地元の資産家・有力者がなります。
相撲取りを連れて街に繰り出せば、一度の会食で数十万円の会計になることも珍しくなく、湯水の如くお金がなくなっていくといいます。
・勝ち越したら10万円の祝儀。
・化粧廻しに200万円。
・着物の仕立てに50万円。
・控えで使用する座布団に30万円。
・力士の外食費に月100万円
タニマチ側に明確な金銭的メリットはありませんが、開催するパーティーに参加してもらったり、知名度を利用して営業活動を行ったりと「タニマチという立場」で自身の信頼度や能力を誇示できる大きなメリットがあります。
もちろん、損得勘定無しに「その力士が好きだから」という理由で応援している後援者も数多く存在しています。
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