20年以上を人材畑一筋に歩んできた人材のスペシャリスト。
就職・転職に関する知識が豊富。
「マネージャー」と「マネジャー」
マネージャーという立場になってはじめて経験することですが、ビジネス文書で肩書を記載する時にはどちらを使用するべきかと迷う人が少なくないようです。
結論から言えば、どちらの言葉も同じ意味を持っており、どちらを使用しようと間違いでは無いありません。
その成り立ちや違いについて少し深く掘り下げていきます。
マネージャーとは
マネージャー(manager)とは、マネージ(manage:経営・運営など)する人のことを指し、プロジェクトや会社内での業務管理・運営責任者のことを意味します。
マネージャーという役職に明確な定義は存在しておらず、課長級であったり、係長級であったりと、会社によってはその地位の高さに大きな差があります。
「マネージャー」は外資系企業では一般的に使用されていますが、日本でも模倣して「●●マネージャー」という肩書きを使用するところが増加傾向にあります。
※ベンチャー企業、新興企業に多い。
日本ではマネージャーという役職を採用している所は多くはありません。
やはり、古くから愛用されている「部長」「課長」「係長」のような役職名を使用している会社が多いですね。
マネージャー、マネジャー、正式表記はどちらなのか
もとの英語は「Mananer」です。
どちらも英語の"manager"を日本語表記に転写したもので、内容的には同じですが、その読み方や使われ方が異なります。
これは、日本語での表記や発音が定まる過程で、さまざまな要素が影響を与え、一定のルール無しに様々な形で定着してしまったからです。
◆(芸能人・興行団体などの) マネージャー、興行人
◆(スポーツチームなどの) 監督、マネージャー
言葉の意味は同じであり、読み方が日本語のカタカナ読みか、英語読みかの違いだけです。
マネージャーでも、マネジャーでももともとの意味は変わらないため、日本語で記載するならば、どちらも正式表記と言えます。
英語の発音を日本語の表記に落とし込む際に生じたバリエーションであり、具体的な意味や役割に違いがあるわけではありません。
ペガサス、ペガススの違いのようなものです。
マネージャー、マネジャー、どっちでも構いませんし、規定もありません。
日本人が使用するには
会話の中で使用する場合は、日本語と英語で明確な違いがあります。
英語の発音
英語では【mˈænɪdʒɚ】という発音になり、「マネジャー」に近くなります。
そのため、外国人に説明をする際には、マネージャーよりもマネジャーの方が伝わりやすくなります。
日本人の発音
日本語で発音・発声する際には、「マネージャー」と伸ばす言い方が一般的です。
◆プリンシパル・マネージャー
◆エグゼクティブ・マネージャー
一例として、介護系の資格に正式名称が「ケアマネジャー(介護支援専門員)」という資格がありますが、現場での会話では「ケアマネ」や「ケアマネージャー」と日本語読みをすることが多く、「ケアマネジャー」と呼ぶことはあまりありません。
※厚労省の書類では基本的にcare manager(ケアマネジャー)として表記されている。
名刺にはどちらを表記するのか
名刺に「Manager」役職を記載する際、日本企業の名刺の場合は「マネージャー」と表記するのが一般的ですが、実際には「マネジャー」「マネージャー」のどちらを表記しても問題ありません。
日本企業の場合は「マネージャー」表記が多いですね。
ほとんどだと思います。
外資企業の場合はマネジャーを使用する人もいますが、英語表記の場合も多いので特に発音の違いが問題になることはありません。
マネジャー、マネージャーの使い分け
使い分けと言うほど、明確な違いはありません。
一つあるとすれば、同一文書の中では同一の表現で統一した方が良いという事くらいでしょう。
それ以外では、マネージャーとマネジャーで特に気を遣う必要はありません。
自身で「しっくりとくる方」を選択すると良いでしょう。