20年以上を人材畑一筋に歩んできた人材のスペシャリスト。
就職・転職に関する知識が豊富。
面接を受ける際には、事前準備をしっかりと行い、絶対に受かってやるという強い気持ちを持って臨むことが多いと思います。
しかし、驚くことにどれだけ準備しようが、どれだけ良い回答をしようが、面接を受ける前に既に不合格が決まっている血も涙もないダミー面接が存在しているのはご存知でしょうか。
ほとんどの人は知る由もない、そんな絶対に誰も採用されない面接がなぜ行われるか?について解説しましょう。
嘘のような本当の話です。
実際の採用現場は血も涙もない修羅の世界です。
不合格が決まっている面接とは?
ある特定の条件を満たしてしまうと、受ける前から不合格にすることが決まっていることがあります。
その特定の条件とは
です。
転職サイトに登録すると、企業から面接確約のスカウトメールが送られて来る事があります。
※中には全く送られて来ない人もいるかと思いますが、、
受け取った側としては、企業が自分に興味を持ってくれたことを好意的に思い、意気揚々と面接に出向くのが自然な流れになるでしょう。
実際に企業側も面接に来て貰おうとスカウトメールを送っている事がほとんどです。
スカウトメールは一斉送信
ひとりひとりの経歴を確認後、自社にマッチした人材のみにスカウトメールを送っている企業もありますが、検索条件に引っ掛かった全員に一斉に送っている企業も少なくありません。
なぜそのようなことを企業がするのかというと、ひとりひとりの経歴を確認して送るのは工数がかかりすぎ、リソースが限られている中で効率的では無いからです。
そもそもスカウトメールから面接に来てもらえる確率は低いので、数を打たないと仕方がないという事情もあります。
企業側としては、中に紛れ込んでいる優秀な人材だけから返信をもらいたいと考えているのです。
適当に送っておきながら、意中の人だけ返信が欲しいというのは虫のいい話といえますね。
スカウトメールを送った所で、ほとんどの人は面接に来ないという実情もあるとは思いますが。
ミスマッチが発生!そしてダミー面接へ
職歴を詳しく見ずにスカウトメールを送っているという事は、当然、条件が全くマッチしていない人から返信が来てしまうこともあります。
畑違いの人でも面接確約のスカウトメールが来れば「面接を受けてみよう」と考えるのは自然な流れですが、面接確約でスカウトしている以上、「あなたの経験はマッチしません」と企業側が断ることはできず、面接を実施しなければなりません。
すると企業としてはどうするかというと、不合格前提のダミー面接を行うのです。
完全に会社側の事情ですね。
ダミー面接は誰が担当するのか、なぜ行うのか?
貴重な時間を割くことはできないため、ダミー面接では本来の面接官である現場の管理職クラスは出てきません。
誰が出てくるかというと、その場を新人のトレーニングに活用するために将来的に面接を任せたい現場のメンバーや、若手人事が担当することになります。
ダミー面接は若手のトレーニングになっています。
ダミー面接の結果は?
ダミー面接が組まれてしまうと、どれだけアピールをしようが結果は変わりません。
数日後、早い場合は当日中に不合格の連絡が来るだけです。
経歴が合わない人材は、面接に来た所で100%弾かれます。
当然ですね。
可能性としては0ではありませんが、今までにダミー面接から採用された人はいません。
マナー違反、ルール違反ではないのか?
マナー違反、ルール違反に近いものはありますが、内部の人以外は実情を知ることはできません。
・理論上の採用可能性は0ではない。
・ダミーかどうか外部から判断はできない。
また、どこの会社でも、求める水準の応募者が見つからず採用0になること自体は多々あることです。※中途採用は特に多い
ダミー面接だとしても、企業が責められることは無いでしょう。
ダミー面接だとしても、面接をするだけ、まだまともな会社と言えるかもしれません。
酷い所ではスカウトメールの返信に対して、何のアクションも返さず無視を決め込む会社もあります。
ダミー面接はどのくらいの確率で行われているのか?
面接を行うにしても、時間や面接の人件費など、それなりにコストがかかるため、頻繁に行われるものではありません。
スカウトメールを乱発しているような企業は行っている可能性があります。
見破る方法は?
確実に見破る方法はありませんが、以下のようなスカウトメールを送る会社に多い傾向があります。
・キャリアに対して、オーバスペックな会社からスカウトが来た場合
・明らかな学歴、職歴のミスマッチ
学歴や経歴、職歴のミスマッチ、スカウト内容の違和感を感じた場合は疑ってみても良いかもしれません。
転職サイト経由でスカウトメールが来たので面接に行ったら、そっけない質問ばかりで「やる気がないな」と感じました。
そしたら、面接が終わって自宅に帰宅する前に不採用のお祈りメールが来ていました。
「そんなことあるの!」って画面に突っ込んでしまいましたよ。(笑)
もしかするとダミー面接だったのかもしれません。
あちらからスカウトしておいて酷いと思います。
その他のダミー面接が発生するパターン
スカウトメール以外にも「ミスマッチ」が発生した場合はダミー面接が行われる可能性があります。
その他の発生ケース
◆特定の国籍・特定の宗教を信じている人は面倒なので採用したくない
カルト系や職場での対応に手がかかる宗教の信者の場合は不採用にしたい。
が、宗教・信仰を理由に明確に拒否するのは体面上良くないため、ダミー面接だけは行い不採用にする。
◆旧帝大・早慶以外は採用したくない
一定の大学以下は採用したくないが、明確にしてしまうと印象が悪化するため「門戸を広げて人物採用」をしているふりをする。
辻褄を合わせるためにダミー面接。実際には一定以下の大学は全員不採用。
◆~歳以上は採用したくない
雇用対策法では募集・採用に関して年齢による制限は禁止されています。
断ることは難しいのでダミー面接を行い諦めてもらう。
◆SPI・性格検査の結果により採用できない
一定の水準に達していない場合は、どれだけ印象が良くてもダミー面接だけを行い、諦めてもらう。
時間や場所が違うことも
◆〇月16日に呼ばれた人は、ほぼ不採用。※平社員対応のダミー面接
◆○日の午後に呼ばれた人は、ほぼ不採用。※平社員対応のダミー面接
◆リモート面接の人は、ほぼ不採用。※平社員対応のダミー面接
日程や時間、リモート・直接など時間や状況を分け、期待値の低い人材に対してダミー面接を行うケースです。
採用を判断する立場の人は忙しく、時間に制限があるものです。
可能性の高い人材に手厚く対応するために、このような処置が行われます。
このようなケースではほぼ不採用組の面接をささっと終わらせます。
その日、その時間に集められている人は皆似たような対応で面接が終了するため、面接を受けた人も違和感を持つことはありません。
ただ、採用組に友人がいたりすると後から話を聞いた時に「私とは待遇が違う、、」とバレてしまうこともあるでしょうね。
まとめ
ダミー面接についてはおそらく知らない人がほとんどで、この記事ではじめて知ったという人も多かったのではないでしょうか?
それほど頻繁に行われるものではなく、絶対数もそう多くはありませんが、これは実際の採用現場で行われている紛れもない真実です。
スカウトメールは求職者と企業を結ぶ重要なツールですが、それを悪用する企業が存在していることは忘れずに転職活動を頑張ってください。